複式学習のよさ

 高学年の教室をのぞいてみました。算数の学習に取り組んでいました。本校の中・高学年は複式学級ですので,5年生,6年生がそれぞれの黒板のある反対の方向を向いて問題解決にあたっていました。

 私も20数年前,小規模校にいた5年間,複式学習指導を経験しました。毎時間の授業の難しさを痛感し,これでいいのだろうかと自問自答させられた5年間でした。毎時間の授業が終わると,先輩教師の学級の黒板を見ながら「今日も先輩に負けたな」と肩を落とす毎日でした。黒板の足跡を見れば,その授業がどんな内容だったのか想像できます。子供たちはこんな活動をして,こんな子供の反応があって,最後の落としどころはこうだったんだろうなと。

 今,学校教育の授業では,「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング」の実現に向けた授業改善が求められています。複式学級の授業では,間接指導の時間(子供たちだけで学ぶ時間)があり,必然的に主体的な学びの場があります。今日の5・6年生の授業でも,6年生の学習に担任が直接的に関わっている間は,5年生がガイド役(リーダー)を中心に自分たちで学習を進めていました。互いの考え方を根拠を示しながら発表し合い,そのよさにふれる学習が必然的に生まれます。子供が友達に解決方法を分かりやすく説明できるようになるとしめたものです。もちろん,より深い学びになるよう教師の指導や説明が必要な場合は,多様な考え方を引き出すよう教師主導で進めます。

 授業は水物です。教師が予想していなかった反応を示すことがよくあります。しかし,子供たちに「力をつけさせたい」という教師の強い思いがあれば,「今日の授業は分からなかったことができるようになって楽しかった」と子供は感じるのではないでしょうか。(文責:校長)


 

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